諸外国の検査制度

車検制度|   |検査の有効期限|   |整備点検の現状

 

ユーザー

整備工場

諸外国

自動車の
保守管理責任

点検整備の
実施状況
(注3)

点検整備に要する
平均年間費用
(注4)

検査前の整備

整備不良に対する
行政処分罰則

消費者保護規制

ドイツ

ユーザーは自動車を良い状態に保つ義務がある(道路交通許可規制31条)

年間の定期的な点検整備の実施回数1.54回

1,006DM
(83,000円)

検査の際に整備を実施(43.8%)

整備不良に基づく路上故障には罰則は特にない。整備不良が原因で事故を起こした場合、一般事故の場合以上のペナルティーが科せられる。

法律による規制はない。

イギリス

ユーザーは自動車を良い状態に保つ義務がある(道路運送車両(構造・使用)規則120条)

年間の定期的な点検整備の実施回数1.77回

330
(66,000円)

検査の際に整備を実施(73.8%)

整備不良に基づく路上故障には罰則は特にない。

法律による規制はない。 (見積書の発行、定期整備料金の店頭表示をディーラーに対して推奨しているメーカーは多い)

フランス

ユーザーは自動車を良い状態に保つ義務がある(道路交通法)

年間の定期的な点検整備の実施回数2.10回

3,398FFr
(83,000円)

検査の際に整備を実施(58.8%)

不明

不明

スウェーデン

不明

年間の定期的な点検整備の実施回数1.37回

2,842SKE
(62,000円)

検査の際に整備を実施(51.0%)

街頭検査は1年あたり50,000台に対し実施、うち大型車両に集中して実施される。不良タイヤ、ブレーキ、灯火等の不良が警官に発見された場合、罰金が科される。

法律による規制はない(ユーザーの苦情処理機関としてはAllmanua Reklamationsuamudely(消費者苦情委員会)がある。ここでは製品、サービスの不満及び過剰な料金請求に関するユーザーの不平、不満を処理する。

ベルギー

ユーザーは自動車を良い状態に保つ義務があり、また、定期的に点検することと、ブレーキ等の重要箇所について注意深く点検すること等も定められている(自動車の準拠すべき技術的条件についての一般規則に関する法律第26条)。

年間の定期的な点検整備の実施回数2.51回

27,276BFr
(109,000円)

検査の際に整備を実施(86.8%)

整備不良車に対して警察が路上で車を止めて検査することがある。罰則は状況によってはある。整備不良が原因で事故を起こした場合、一般の事故以上のペナルティーが科せられる。約3,000BFr位(1,2000円)

法律による規制はない(ユーザーの苦情処理対応機関としてTest Achotがある。運営は消費者保護団体)

スイス

ユーザーは自動車を良い状態に保つ義務がある(連邦道路交通法第29条)

年間の定期的な点検整備の実施回数1.39回

1,353SFr
(127,000円)

検査の際に整備を実施(70.4%)

整備不良車に対して警察が路上で車を止めて検査をすることがある。罰則はない。整備不良が原因で事故を起こした場合、一般の事故以上のペナルティーが科せられる。

法律による規制はない(ユーザーの苦情処理対応機関として、Touring Club of Switzerland(スイスツアークラブ)がある)

スペイン

 

 

 

事前整備は不要

 

 

アメリカ

  

 

 

 

 

 

ニュージャージー州

 

 

 

 

路上で車両の不具合を警察に指摘された場合、違反は$700、但し50日以内に修理すれば$150に減額。2回目の違反は$1,300。但し50日以内に修理すれば$500ドルに減額。

 

ニューヨーク州

ユーザーに自動車の保守管理の法的責任がある(Vehicle & Traffice Law Sec.375)(車両交通法375条)

年間の定期的な点検整備の実施回数3.02回

$384.0
(46,000円)

検査の際に整備を実施(37.1%)

路上での車両の不具合を警察に指摘された場合、整備が義務づけられる。検査証なしの走行車には$75(9,000円)の罰金。

The Motor Vehicle Repair Shop Registration Act(自動車整備工場登録法)。この法律では、自動車整備の料金見積もりなど、消費者保護の見地から整備事業の運営方法を規制し、ユーザー権利を明確にしている。

カリフォルニア州

ユーザーには自動車の安全性を維持する責任がある(State of California Vehicle code)(カリフォルニア州自動車法)

年間の定期的な点検整備の実施回数3.22回

$540.9
(65,000円)

検査の際に整備を実施(41.3%)

路上で車両不具合を指摘された場合、期限内の整備を義務づけられる。期限内に整備しない場合には、罰金を科せられる。

Automtive Repair Act(自動車整備法)この法律では自動車整備の料金見積もり、整備内容に関する顧客との合意など、消費者保護の見地から整備事業の運営方法を規制し、ユーザー権利を明確にしている。

オーストラリア

  

 

 

 

 

 

 首都特別地域(注7)

ユーザーの保守管理責任は、これを法律で義務づけるものではない。メーカーは「オーナーズ・マニュアル」等で点検整備を励行している。

年間の定期的な点検整備の実施回数2.51回

A$834
(72,000円)

検査の際に整備を実施(27.4%)

抜き取り検査で警察に不良を指摘された自動車は、整備に出す場合あるいは登録局に検査に向かう場合を除いて、行動および公共の場所でこれを使用することはできない。罰則は規定されていない。

法律による規制はない(ユーザーの苦情処理対応機関としてNational Roads & Motorists Associationがある。運営はAustralian Automobile Asociation)

 南オーストラリア

ユーザーの保守管理責任は、これを法律で義務づけるものではない。メーカーは「オーナーズ・マニュアル」等で点検整備を励行している。

年間の定期的な点検整備の実施回数1.39回

A$697
(60,000円)

 

路上抜き取り検査において警察に整備不良を指摘された自動車は、その使用が制限される。罰則は特に規定されてはいない。

法律による規制はない(ユーザーの苦情処理対応機関としてRoyal Automobile Association of South Australiaがある。運営はRoyal Automobile Association)

韓国

 ユーザーには保守管理責任があり、毎日当該車両を使用する前に交通部令の定めるところにより日常点検を実施しなければならない。当該車両が安全基準に適合しなかったり、安全運行に支障があると認められた場合には、ユーザーはこれを整備しなければならない(自動車管理法第34条)。定期的な整備の義務づけはない。

年間の定期的な点検整備の実施回数3.40回

W356,700
(54,000円)

検査の際に整備を実施(59.7%)

道路交通法には整備について特別な罰則は規定されていない。自動車管理法は、整備を受けなかったり安産基準に適合しない、あるいは安全運行に支障があると認められる自動車、検査通告にも拘わらず当該検査を受けない自動車等に対して、交通部長官が自動車所有者に対し点検、または整備を命じることができると定めている。この場合、期間を決めてその自動車の使用停止を命じることができる。

不明

日本

ユーザーには保守管理責任が義務付けられている。(道路運送車両法第47条)
ユーザーには日常点検整備及び定期点検整備が義務付けられている。(道路運送車両法第47条の2、第48条)
ユーザーが保守管理をするにあたり、日常点検整備及び定期点検整備以外の項目については、ここの自動車の情報(オーナーズ・マニュアル等)を自動車制作者から受けて管理することとなる。

年間の定期的な点検整備の実施回数1.48回

49,000円

検査の際に整備を実施(98,8%)

整備命令(道路運送車両法第54条)
自動車が保安基準に適合しなくなるおそれがある状態又は適合しない状態にあるときは、当該自動車の使用者に対し、保安基準に適合しなくなるおそれをなくすため、又は、保安基準に適合させるために必要な整備を命ずる事ができ、自動車の使用者が命令に従わない場合において、当該自動車が保安基準に適合しない状態にあるときは、当該自動車の使用方法若しくは経路を制限する事ができる。また整備を命ずる。

自動車分解整備事業者の遵守事項
(道路運送車両法第91の3)
この法律では自動車整備の料金見積もり、整備内容に関する顧客との合意など、消費者保護の見地から整備事業の運営方法を規制し、ユーザー権利を明確にしている。

出典:JASIC/車検制度調査(平成10年度)、日本自動車輸送技術協会/諸外国における自動車検査・整備に関する調査報告書(平成4年度)による

 

1:自分で実施するものを含む。

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